みなさんこんにちは。
今回は賃貸物件における「タバコ」について詳しくお話ししていきます。
最近では電子タバコを利用する方も増え、「紙タバコよりも汚れないから室内で吸っても大丈夫」と思っている方も多いですが、実はそう簡単な話ではありません。賃貸物件での喫煙は、退去時に思わぬ高額請求につながることがあるため注意が必要です。
紙タバコを室内で吸うと、煙に含まれるタールやニコチンが壁や天井に付着し、時間の経過とともに黄ばみやヤニ汚れが発生します。また、喫煙者自身は気づきにくいものの、タバコの臭いは部屋全体に染みついてしまい、通常の掃除ではなかなか落とせません。
その結果、退去時には壁紙の張り替えや消臭費用として高額な修繕費を請求されるケースが多く見られます。
では電子タバコなら安心なのかというと、必ずしもそうではありません。確かに電子タバコは紙タバコに比べて約9割のタールが軽減されており、黄ばみやヤニ汚れは起こりにくいとされています。
しかし、完全に汚れや臭いを防げるわけではなく、長期間吸い続ければ壁紙の変色や独特の臭いが残ることもあります。
つまり、「電子タバコなら室内で吸っても問題ない」と安心しきってしまうのは危険です。
賃貸物件では、国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に基づき、退去時に入居前と同じ状態に戻して返す「原状回復義務」があります。
ただし経年劣化や通常使用による汚れは入居者負担にはなりませんが、タバコによる黄ばみや臭いは「通常使用の範囲を超える損耗」と判断されることが多く、修繕費を請求される可能性が高くなります。
喫煙によるトラブルを防ぐためには、いくつかの対策が有効です。
まず、室内で吸う場合は換気扇の下や窓を開けて換気をしながら吸うようにしましょう。
とはいえ完全に防げるわけではないため、可能であればベランダや屋外などで吸うのが理想です。その際は近隣への煙や臭いの影響にも配慮が必要です。また、喫煙者の方は「剥がせる壁紙」を使うのもおすすめです。
自分で簡単に貼っておけるタイプなら、退去時の壁紙張り替え費用を大幅に減らせる場合があります。さらに、空気清浄機や消臭剤などを併用して、日頃から臭い対策をすることも大切です。
もしヤニや臭いが強く残ってしまうと、通常清掃では落とせず「特殊清掃」の対象になることがあります。特殊清掃は数万円から数十万円の費用がかかることもあり、敷金では足りず追加で費用を請求されるケースもあります。
こうしたトラブルを防ぐためには、やはり「室内で吸わない」ことが一番の対策です。少し面倒に感じるかもしれませんが、外で吸う、換気をしっかり行う、汚れ防止の工夫をするなど、日常的な意識で退去時の負担を大きく減らすことができます。
喫煙による汚れや臭いは目に見えにくく、気づいたときにはもう遅いというケースも多いもの。将来的なトラブルを避けるためにも、「タバコは室内で吸わない」が最も確実な方法です。
快適に暮らすためにも、そして余計な出費を防ぐためにも、喫煙環境には十分注意していきましょう。




